ブラジルに本社を置く世界最大の食肉加工会社JBS。同社は5月31日、ランサムウェア攻撃を受けたとし、これにより、オーストラリア、カナダ、アメリカの一部の事業が一時停止。世界に大きな影響を与えている。
ホワイトハウスの発表によれば、このサイバー攻撃はロシアが拠点とみられる犯罪グループが関与していると発表している。
また、この攻撃により食肉の在庫不足や価格上昇が起きる恐れがあるとも言及した。
現在、この事件に関して米連邦捜査局(FBI)がこの攻撃について捜査を進めており、
ホワイトハウスはロシア政府と直接、政治的な交渉に移っている。
またJBSは、2日には大部分の工場が稼動を再開できるようにしたいと要求も述べている。
同社によると、5月31日に攻撃が検知されて間もなく、影響を受けたすべてのITシステムを停止した。バックアップサーバーはハッキングされなかったという。JBSの工場従業員を代表する全米食品商業労働組合(UFCW)は、従業員が確実に給与を受け取れるよう、同社に要請している。
ランサムウェアを使った大規模な攻撃は5月初めにも石油輸送会社のコロニアルパイプラインで起こっており、その際は身代金を支払っている。
今のところJBSの事件で、身代金を支払った報告はされていないが、今後も同様の被害が発生する可能性は極めて高いだろう。