Avast Softwareのオンドジェイ・ヴルチェクCEOが「Jumpshotによるデータ収集をただちに中止し、Jumpshotの閉鎖を決定した」と報告した。なんでも子会社のJumpshotが個人データを収集し販売していたというのだ。
Avast Antivirusをご家庭でご利用されている方も多いのではないだろうか。2019年11月時点でセキュリティソフトの世界市場シェア第5位(7.95%)を占めていた。Avast SoftwareはChromeやFirefox、Operaで広告を出して販売されていたが、Adblock Plusの開発者が「Avastは個人情報を収集し販売している」と暴露した。これをきっかけに2019年12月上旬に、Avastの広告はChrome・Firefox・Operaから削除される事態に発展した。
↑閉鎖済みのJumpshot
2020年1月には、内部調査の結果Avast Antivirusのユーザーの個人情報を、Avast Softwareの子会社であるJumpshotが他企業に販売していたことが流出した内部文書から判明しAvast SoftwareのTwitter公式アカウントは苦情で埋め尽くされている。
またヴルチェクCEOは公式ブログで正式に謝罪しており同時にJumpshotの業務を停止したことを明らかにした。ただヴルチェクCEOはAvast、Jumpspot両社ともにEU一般データ保護規則(GDPR)に100%準じていますと強調している。
Jumpshotは2015年からセキュリティ強化を目的として収集しておりAvast Softwareの子会社でありながら、当初から独自の経営陣と取締役会を持つ独立した会社として運営されており、Avast Softwareのセキュリティ製品から収集されたデータを基に製品とサービスを構築してきたそうだ。
大事な個人データを守るためのセキュリティ会社が個人データを販売していたなど、滑稽な話である。利用者は機器、ソフトの性能による選定もそうだがベンダーにも気を払っていかなければならないのかもしれない。