若者の間で流行している動画共有アプリが、米国にて物議を重ねている。米国の上院議員2名が「国家安全保障上のリスク」を引き起こす可能性があるか米国政府の最上級情報機関に調査を依頼したのだ
上院議員のシューマー氏とコットン氏による連名の書簡の中で、議員たちは国家情報局のマグワイア長官代行に、アプリのメーカーが、米国人のデータを中国当局に引き渡す可能性があるかないかと調査を依頼した。
Tiktokはこれまでに、およそ1億1000万回ダウンロードされており若者の間で必須のアプリになりつつある。だが2人の議員は、TikTokは北京に本社を置いている為、ユーザーデータ、つまりは個人情報がたとえ米国内のサーバーに保存されていたとしても、中国政府によって引き渡しを求められるのではないかと疑念を抱いている。
シューマー氏とコットン氏は、TikTokの親会社であるByteDanceが中国政府からの中国の法律を遵守する様に警告がきている旨を合わせて伝えている。
書簡には中国共産党により、中国籍の企業に対して諜報活動の協力を余儀なくされていると報告されている。おなじ法的原則はどちらの側にも適用される。中国を含む一部の国では、米国政府を利する形でスパイ活動を強要される可能性があるという懸念から、米国企業は排除されるか、アクセスが制限されてきた。
米国政府の大規模な監視活動を明らかにしエドワード・スノーデンの暴露の余波で、多くの主要テック企業が、中国からの撤退を余儀なくされた。
上院議員たちはまた、このアプリが北京に対して「政治的に影響があるとみなされる」コンテンツを、検閲していることを懸念していると述べている。9月にはガーディアン紙が、アプリのモデレーターが、チベットの独立、天安門広場の虐殺、禁止された宗教団体である法輪功に関連するコンテンツを、検閲していることを明らかにしている。
2016年の米国選挙で見られたように、このアプリは外国から影響を及ぼすスパイツールとして使用される可能性があるとも述べている。
これらの問合せに対して、国家情報局長官のスポークスマンはコメントを返さしていない。
TikTokは、「私たちTikTokは、TikTokが米国において信頼され責任ある企業市民であり続けることをまず改めて申し上げる以外に、現時点でこれ以上のコメントを控えます。もちろん議会や関連する法執行機関との協力は惜しみません」とTikTokの広報担当者ガートナー氏は述べている。